カードローンは”おいしい”ビジネス。銀行の過剰融資の懸念は依然として消えず

ここではなぜここまで様々な企業がカードローンのサービスを提供し、莫大な額の広告宣伝費を書くているかご紹介します。これだけの企業が進出しているので、カードローンは銀行にとって美味しいビジネスなことは確かです。詳細をご紹介していきます。

カードローン残高は増加中

銀行のカードローンの過度な貸付が問題となり、審査の厳格化等が多くの銀行で進めているものの、融資額が大幅に減っているわけではないようです。

最高裁がまとめた、2017年の『個人の自己破産申立件数(速報値)』は、6万8791件であり、前年と比べて6.4%増加し、2年連続で増えています。2003年をピークに件数は減少が続いていましたが、2016年には13年振りに増加となりました。これに対して日本弁護士連合会(日弁連)は、銀行のカードローンの過剰な貸し付けが問題であると指摘しています。

では、なぜ銀行はカードローン等の個人ローンの拡大に注力しているのでしょうか。その背景には、マイナス金利政策の影響を受けて、企業向け融資の利ざやが減っていることが考えられます。特に、地方銀行にとっては厳しい経営環境が継続しています。

その反面、カードローンならば、低金利下であっても10%超の金利収入を見込めます。実際に、多くの銀行では、業績にカードローンが大きく貢献しています。

銀行にとってはリスクが少なくリターンが大きいビジネス

銀行にとってカードローンは、リスクが少ないのに対し、リターンが大きいビジネス。

銀行のカードローン問題が指摘され始めてからしばらく経ちますが、カードローンから撤退した銀行はありません。

その理由として、先述の通り、超低金利下であっても10%超の金利収入が期待できるからです。さらに顧客との接点を活用して新規開拓ができることも大きな特長です。

消費者金融業者の場合、無人の契約機であったとしても、源泉徴収票等の収入証明書類や運転免許証等の本人確認書類を用意して申し込みに行くのはハードルが高いです。

しかし、銀行のカードローンであれば、「キャッシュカードにカードローン機能を付加しませんか」と言うだけで良いのです。ATMを利用するだけで『このままカードローンの申し込みが可能です』と表示される銀行もあり、非常に容易に利用できるのです。

無暗に貸し出しては、貸し倒れ等のリスクが生じないとかと思うかもしれませんが、多くの銀行では保証会社を審査や回収に利用しています。貸し倒れとなったとしても、それを負うのは保証会社であり、銀行のリスクは小さいのです。